魔法にかかる週末。

もう先月の話になるのですが。結婚してからはじめて、里帰りというものをしたんですよ。
まぁたかだか一泊二日の滞在で、何ができるわけでもないのですが。
ふとしたきっかけから、14年前に卒業した小学校に足を踏み入れたわけなんです。
考えてみれば、いたぱは小学校を卒業しても、結婚するまでずっと地元にいたわけで。
小学校だって、もちろん外側からだけでも結構見てるつもりではいたのですが。
なんか正面から見ると、「こんなに小さい学校だったっけ?」って感じました。
体育館が新築されてたり、そのせいで大きな花壇がなくなったりもしていたけど。
それから4年生の時の担任の先生が住んでいた、教員宿舎もなくなっていたりしたけど。
それ以上に、なんだか小さく感じたんですよ。校舎も含めたなにもかもが。
いたぱの代の卒業制作で作った万年カレンダーが、昇降口のガラス扉から見えるんだけど。
あんなに、綺麗に彫って、大きく見えたカレンダーが小さく見える。
夏に涼しい木陰を作ってくれたメタセコイアの木が、なんだか小さく見える。
これは知り合いが同じような体験をした時に言った言葉なんだけど。
「魔法にかかった」まさに、そんな気分でした。自分だけ、大きくなってしまったような。
そんな物悲しさを感じてしまいました。
もちろん、12年前と身長も10cmと違わないし、年をとっただけなんだけど。
なのに、本当に魔法にかかってしまったような、そんな気分でした。
懐かしくて、でも小さな変化が寂しくて。もう知らない場所で。
なんだか、不思議な気持ちになった、里帰りでした。